今なら分かる「痴人の愛」
日記
昨年末にできなかった自宅倉庫内の整理をしようと本の山に手を出したところ懐かしい本が目に留まり、思わず手に。
タイトルは「痴人の愛」。作者は谷崎潤一郎。
昔から何度も読み返していた愛読書ですが、ここのところはすっかりご無沙汰。それだけになおさら懐かしく、頭からページをめくってしまいました。
そうなるともう止まらない。筋書きは分かっているのですが、ついつい読み進んでしまい整理どころではありません。
若い頃はこの主人公を、何とだらしなく情けない男だと思っていましたが、今読み返してみるとちょっと違いますね。
奔放な女性にのめり込む姿勢が分かるような気がしてきてるんです。
たぶん若いときに持っていた突っ張りが取れて男の弱さを自覚。女性にすべてを捧げ、溺れたいという願望の表れかと。つまり、女性崇拝というやつ。
ちょっと危ない思いですが、世の男性諸氏にはなにがしかある思いではないでしょうか。
どうです、心当たりありませんか?
それにしても谷崎がこの作品を発表したのは1924年(大正13)。まだまだ保守的な思想が色濃く残る当時にあってアブノーマルな性愛の世界をここまで表現できたことは驚きです。
谷崎といえば、「卍」も思い出の一つ。
国内外で何度も映画化されている名作ですが、私が観たのは樋口可南子、高瀬春奈ダブル主演作品。
同性愛を描いた文学作品には不釣り合いの小汚い場末の映画館。何せ30数年前ですからね。
そうそう、併映がなぜか「食人族」だったのは今思えば笑えます。
いずれにしても多くの素晴らしい作品を残した谷崎。
川端康成がノーベル文学賞を受賞した当時、川端らとともに受賞候補に挙がっていた谷崎。
いや死去していなければ受賞していたのではともいわれる谷崎。
現代においてもっと評価されてしかるべき作家だと思います。

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タイトルは「痴人の愛」。作者は谷崎潤一郎。
昔から何度も読み返していた愛読書ですが、ここのところはすっかりご無沙汰。それだけになおさら懐かしく、頭からページをめくってしまいました。
そうなるともう止まらない。筋書きは分かっているのですが、ついつい読み進んでしまい整理どころではありません。
若い頃はこの主人公を、何とだらしなく情けない男だと思っていましたが、今読み返してみるとちょっと違いますね。
奔放な女性にのめり込む姿勢が分かるような気がしてきてるんです。
たぶん若いときに持っていた突っ張りが取れて男の弱さを自覚。女性にすべてを捧げ、溺れたいという願望の表れかと。つまり、女性崇拝というやつ。
ちょっと危ない思いですが、世の男性諸氏にはなにがしかある思いではないでしょうか。
どうです、心当たりありませんか?
それにしても谷崎がこの作品を発表したのは1924年(大正13)。まだまだ保守的な思想が色濃く残る当時にあってアブノーマルな性愛の世界をここまで表現できたことは驚きです。
谷崎といえば、「卍」も思い出の一つ。
国内外で何度も映画化されている名作ですが、私が観たのは樋口可南子、高瀬春奈ダブル主演作品。
同性愛を描いた文学作品には不釣り合いの小汚い場末の映画館。何せ30数年前ですからね。
そうそう、併映がなぜか「食人族」だったのは今思えば笑えます。
いずれにしても多くの素晴らしい作品を残した谷崎。
川端康成がノーベル文学賞を受賞した当時、川端らとともに受賞候補に挙がっていた谷崎。
いや死去していなければ受賞していたのではともいわれる谷崎。
現代においてもっと評価されてしかるべき作家だと思います。
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